全8話
クリエイティブに関するコラムを更新
RIDE代表・酒井の著書「ビジネスの課題は編集視点で見てみよう!」は、成果を現しにくい「編集力」というスキルがあらゆるビジネスシーンで役立つ、 すなわち「成果」として現れているということを説明するために書かれました。
しかしながら、時流の変化に伴い社会の価値観や消費者の志向も少しずつ変化してきました。特にマーケティングやブランディングといった部分では、執筆内容をアップデートすることが必要となってきました。
そのため、私たちRIDEのクリエイティブに関する、最新の考え方やスタンスを知って頂く機会として【RIDE.Column】をスタートします。
潜在層を顕在化させるニーズを作り出すアプローチ
第1回目のテーマは、「コアターゲット」に関するマーケティングの考え方です。本書では、「潜在層」と「顕在層」というセグメントを行い、ターゲットを明確にする発想がとても重要だと書いています。更にポイントとして、この2つの層は「ある側面」においては分けることが難しいという所にも言及しています。
例えば、調理器具を訴求したいサイトがあったとします。そこでは「調理器具を買いたい人が顕在層」となり「料理をしている人は潜在層」となります。この2つの層で集客施策やコンテンツを考えていくと、どうしても「顕在層に対してのロイヤリティ向上」なのか、「潜在層に対してのブランディング認知」なのか、そもそものニーズ喚起が必要な層なのか、というようなちぐはぐな論点が巻き起こります。
そのため施策のコンセプトを絞るには、その2つの層がクロスオーバーする部分を見つけることが重要となってきます。先ほどの例でいうと「調理器具を買いたい層(顕在)」と「料理をしている層(潜在)」は、「料理好き」というテーマでくくることができます。この共通項を見つけることで、数値や属性という観点での客観的データを効率よく獲得することも可能となり、マーケティングの設計にも活かすことができるのです。
「推しカラー」といった新しいニーズを見出す視点
昨今は、上記のようにターゲットを明確にしたインサイトを汲んだニーズを生み出すだけではなく、更なる新しい観点が加わったと考えています。それは「文脈の違った消費者を創造する」ことです。
例えば、「推し活」。今では言葉だけでなく「推し活」という行動を世間も理解し、一つの行動様式となってきました。それに気付けると、商品訴求としてのベネフィットやデザインの良さ以外のニーズが見えてきます。言い換えるとその商品への文脈がなくても、購入する動機や興味を持ってもらえる可能性があるという仮説です。
「推し活」をしている人にとって、推している人(キャラ)のカラー設定は大事です。いわゆる「推しカラー」の商品を集める傾向があります。特にスマホ周辺機器、文具やコスメをはじめ、身近な商品をスペックではなく「推しカラー」に合わせて購入するといったことが考えられるのです。
顕在層や潜在層といったターゲットを絞り込んだ基本セオリーを踏まえつつも、ダイナミックに「推し活」という事象をクリエイティブ(推しカラーによるデザインやプロダクト開発)やマーケティング(同じカラーで統一したい欲求)に反映する視点も重要だと考えています。
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ビジネスの課題は編集視点で見てみよう ~気がつけば誰にでもできる! 今すぐ実践したくなる仕事術