ニーズの先に見えてくるユニットエコノミクスという視点
2回目のテーマは、クライアントの求めるクリエィティブの真意を捉えるです。あらゆるフレームワークを駆使し質問シートを準備し、そのヒアリング内容からニーズを洗い出そうとしても、お悩みのように抽象的な事象は真意が見えにくい場合もあります。 そのため、クリエイティブのオーダーを紐解くポイントとして、相談者自身も言語化できていない可能性があるのを見逃してはいけません。そして「そもそも、なぜ、自分たちに相談が来たのか?」という点も着眼点として必要です。 問い合わせをして、わざわざ会う約束を取り付けてくれたのには、立派な動機があるはずです。そして、その動機こそが言語化できていないニーズなのかもしれません。価格が魅力的なのか、デザインセンスを評価されたのか、実績を信頼されたのか、まずは、相談者が自分たちを選んで相談しに来た動機を把握することが大事です。 例えば、相談者が課題を丁寧に説明してくれたとします。そして、ヒアリングをした結果、明確な解決策が浮かびました。しかし「なぜ、その課題を解決したいのか?」という部分が掴めないとすれば、本当にその解決策が相談者にとって最適解なのかはわかりません。その場合は、指標となる定量的な判断材料が欲しいのもクライアントの本音だと考えます。
コンテンツメイキングではなく「コンテンツメーカー」
マーケティング的な目先のメリットではなくビジネス課題としての視点があるかどうかが大事になってきます。「なぜ、その課題を解決したいのか?」それは、中長期として事業計画に関わる経営的な課題でもあるからです。例えば、コンテンツマーケティングというオーダーがあり、KGIとKPI、定性的なビジョンも設定できました。毎月の数値を計測し「よく読まれたコンテンツは?」「どういった見出しならCPAやCACが良かった?」などの効果検証やコンテンツ運営もバッチリだとします。ツールやサービスの発展、また知見も溜まり実装のハードルは下がったと感じています。
となると、前提としてコンテンツを使ってマーケティングしていくとうことは、単にコンテンツ自体の評価や運営することで存在意義を示すのが困難になってきました。そして、そのコンテンツによって生活者の行動変容を促し、どこまで効果があり一過性でなく持続可能なサービスや商品としてやっていくには、どれくらい投資(人もお金も)をしたら良いのかという課題に必ずぶつかります。
販売数やアクセス数も大事な指標でやってきましたが、RIDEでは、商品やサービスが健全な事業として継続するためのクリエイティブを心がけています。コンテンツを作るだけでなく、運営体制、広告予算の適正をはじめメディアの世界観などのブランディングも考慮しています。指標となる数値の設定と分析による数的根拠を持ったロジックに、エンタメ要素やサブカル的な文脈を掛け合わせるクリエイティブが、私たちの強みでもあります。
RIDEは、未来により良い選択肢を描くクリエイティブスタジオ
生活者の人生をイメーシして、心地よいと思える接点を見出すのに「どれくらいのリソースが必要なのか?」「いくら投資をしていくのか?」というのが往々にしてクライアントの根底にはあります。今回のお題である「コンテンツマーケティング」においては、「概念」や「解釈」が変わっている過程でもあるので、クライアントとの齟齬が発生することもあると感じています。コンテンツの魅力は、見た目の美しさや見出しなどのユニークさなどではありますが、RIDEが見ているのはそのバランスです。インパクトのあるコンテンツの成果である一時的な販売数やアクセス数だけでなく、1人の顧客に対してどのような経済的効果を及ぼしているかまでを見ています。クラアイントの事業やサービスにおいてもオーナーシップを持った姿勢でクリエィティブに取り組んでいます。
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