制作意欲を持ったクリエイターの強み
今回のテーマは「創造力」です。クリエイティブを生業にしている僕達としては、抽象的な題目だからこそ一度ビジョナリーに考えたいところでもありました。基本的に、ひらめきや思いつきだけに頼らず世の中の出来事を理解するために情報を集めてソリューション的な動機やメッセージを重視したコンセプトを発見していく努力は必要だと考えています。たくさんの視点で多くの組みわせによるクリエイティブのきっかけを作れるからです。ただ「創造力」となるとプライドに似たクリエイターとしての軸も持っていたいという想いがあるのでこのテーマにしてみました。
スイッチが入るキッカケを提供する
「初期衝動」という具体的な内容を言語化しにくいオリジナルが強い感情を大切にすべきだと考えています。クリエイターというよりもビジネスパーソンはみんなこの動機を見逃さずにアクションして欲しいという理想があります。創造力の起源は、義務や実力といった部分だけではなく説明し難いけど「やってみたい!作ってみたい!」という自身の熱量みたいな所があるべきだと。そこには個人の努力が伴いますが、決して自分だけではなし得ないという考えも持っています。それは会社としての役割です。フリーランスや副業と特にクリエイターにとっては、雇用形態の選択肢が増え収入源の安定も図れるようになってきました。となってくると、クリエイターが会社に属して活動するにはどんな意味やメリットがあるのだろうかという思いもあります。少し話がそれましたが会社としては「初期衝動」のスイッチが入るような仕組みや仕掛けを作る必要があるということは明確になっていると思っています。1年半後の20期となる節目をめどにRIDEは、今まで以上に資産を活用した新規プロジェクトなどを立ち上げていく予定です。そういった環境がRIDEクリエイターや関係者の皆さんの「創造力」を刺激することになれば本当に嬉しいです。
クリエイティブ・ビーイングを目指す
正直にいうとRIDEが制作会社と呼ばれることに違和感を抱く時があります。きっとそれは「クリエイティブ・ビーイング」という価値観ではなく、「クリエイティブ・メイキング」といった視点で見られてしまっていることが悔しくて沸き起こる感情かと最近、自分の中で理解できてきました。事業形態といった収益を上げる側面だけでなく「創造力」を持った会社だということをRIDEは示す必要があるのではないかと思ったのです。そう強く思ったのが「UNIVERSITY of CREATIVITY」で聞いた「クリエイティブ・ビーイング」という言葉です。言語化できずにいた「制作会社」というラベリングと「創造力」というクリエイターのプライドに関するモヤモヤが一気に溶解しました。RIDEが考える「クリエイティブ・ビーイング」とは、「能力という発想を捨て自分から起点を作ることが大事。そして訪れてくるものを拒まず好奇心を持って関わっていく。それにより初期衝動が芽生え創造性に繋がる」と考えています。ただ、そこには業務の数十%を空けて創造力を培う時間を設定するといったリソース的な見解ではありません。業務がスムーズに運ぶように誰も悲しまないことが大事で、自分と他者の関係性を大事にする部分が多い「クリエイティブ・メイキング」とは違った発想です。
哲学的で抽象的なテーマとなってしまいましたがスキルを埋めることだけではなく、違った業種の知見をはじめ様々な事象を招き入れられるような状況をつくることもクリエイターとしては、大事だと感じています。